「言ってはいけない残酷すぎる真実」を読んで

 

橘玲氏の作品が好きで今回が4冊目になる。

 

今回は特に好きだった。毎回新たな価値観を提供してくれる橘氏だが今回もすごかった。

 

共有したい5つの考えをピックアップした。

 

優生学が間違っているのは「精神病は遺伝する」と主張したからではなく、その論理が精神病者に対する差別と偏見を前提にしているからだ。科学的知見を「不都合なイデオロギー」として拒絶するのではなく、それを精神病の予防や治療につなげ、社会の偏見をなくしていくよう努力することが求められているのだ。

 

ここでは精神病の遺伝性について論じている。統合失調症は体重や身長より遥かに遺伝しやすい。その事実を、差別と偏見だ!と跳ね返すのではなくて科学的に遺伝しやすいのだと認識でき、子供を作るのかいなかといった判断材料として彼らの人生を豊かにすることを願っているというのが筆者の意見だった。

 

遺伝の影響を料理における砂糖のようなものだと考えるとわかりやすい。

 

動画系SNSを、見ていると親から遺伝しやすいものベスト5をまとめた動画が流れてくる時がある。70%の確率で遺伝すると聞いた時に、10人に7人は遺伝するが3人は遺伝しないと考えてしまっていた。

ところが料理における砂糖は、小さじ〇〇とか大さじ〇〇というように料理全体を見た時に味にどれだけ影響するのかを考えて量を調節する。

筆者の考えをもとにするとこれが遺伝に対しても同じで、遺伝する、しないの白か黒かではなくて遺伝する割合をまちまちであるというのがわかりやすく伝わった。

 

地方から都会になってきた若い女性のなかにはセックスすらマネタイズできない層が現れた。、、最貧困女子の誕生だ。

 

最近飲み屋街を歩いていると、若い女の子が待ち構えている様子をよく目にしていた。その背景にもしかしたらこのマネタイズできないっていう事があるとしたら少し可哀想な子達だなと思う。

 

生殖において男と女の最も大きな違いは、女性は自分の子供を確実に知っているが、男性には知る術がないことだ。

 

今回最も斬新だと思った考え方だった。だから男は妻の不貞行為に怒り狂いDVをするが、妻はしないことが多いのだなと分かった。

 

心拍数の低い子どもは刺激を求めて反社会的な行動に走ることが多い。覚醒度の低さが生理的に不快で、覚醒剤のような麻薬に手を染めるのかもしれない。だがもしその子どもが知能や才能に恵まれていれば、社会的・経済的にとてつもない成功を手にするかもしれない。そもそもベンチャー企業の立ち上げなど、恐れを知らない人間にしかできないのだ。

 

 

昔からあがり症だったので、緊張しいだったがそれが全く悪いこととも言えないのだなと感じた。犯罪を自ら抑止する能力は高いが、何か挑戦的なことは難しいのだなと感じた。

 

橘氏の作品は毎度、メタ的視点から見るための価値観を与えてくれると思います。読書感想文なんてまともに書いたことない小学生だったけど、数十年経った今、好きで読書をしてて好きで感想文書いてる。人生って一寸先のことは何も分からないもんだなぁって思わされます。

 

では、この辺で。